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自主・平和・民主のための広範な国民連合
月刊『日本の進路』2002年11月号

九州でも失業者立ち上がる

 「痛みを伴う小泉改革」によって雇用情勢は一段と悪化している。今年六月には失業者四百人が立ち上がり怒りの行動を行った。「もうがまんできない!職よこせ!」の声と行動は、全国に広がっている。失業率の高い長崎や福岡でも失業者が立ち上がり、切実な要求をかかげ自治体などへ行動を起こしている。

失業者が団結して
 失業者ネット・長崎を結成


 長崎県内の八月の有効求人倍率は〇・四一倍、全国では青森、沖縄についで三番目に低い数値である。
 このような雇用情勢のなか、長崎市内を中心とする二十歳代から六十歳代の失業者や賛同者など三十名が参加し「職と生活の保障を求める失業者ネットワーク・長崎」の結成総会が九月三十日、長崎県総合福祉センターで開かれた(写真下)。
 当日は失業者の切実な思いが訴えられた。「交通事故で障害者になったが、社長に治らないなら辞めろといわれた。長崎県やハローワークなどの主催する障害者むけで、企業の参加する求人説明会に参加したが、過去三年間で一人も採用されていない。企業の求めている人材はあまりにもハードルが高く、就職ははじめから困難であることがわかった。ハローワーク等は、その場かぎりで、結果を踏まえて何ら対策をおこなっていない。われわれは、彼らの宣伝に利用されただけなのか」「県外にいる自分の息子が、いまだ大学を卒業しても就職が決まらなく、非情に落ち込んでいることを思うと、人ごとではないと思って、この会に参加した」「ハローワークの求人案内と実際に面接にいったら、内容がまったく違っていた。運良く採用されても求人内容とあまりにも条件等が違いすぎる」など雇用の現状を訴える声や、雇用行政に対する不満も相次いだ。
 結成総会では、失業者のかかえる諸問題を解決するために、実情を広くアピールし、関係機関に対策の強化を求め、主旨に賛同される多くの方々や団体と連携して運動をすすめ、また失業者同士の親睦と交流を進めることを決定した。世話人の一人である清水正明さんは、「一人ではなく、失業者みんなで悩みや苦しみを分かち合い、一日でも早く就職先が見つかるよう解決策を探りたい」と話した。
   ◇  ◇  ◇  ◇
 当面は十一月のハローワークへの要請や、労働組合を中心に各団体への賛同要請、並びに親睦会が予定されています。
 広範な国民連合長崎も、サポーターとしてこの会を支援していくことを確認しました。十月五日には失業者ネット長崎の皆さんと、共同でリサイクルバザーに参加し、財政的側面からも支援協力していくことができました。

 切実な要求で自治体と交渉
 筑後市、久留米市  福岡


 福岡県の完全失業率は、全国ワースト四位で、約二十万人が職を失い生活の不安をかかえています。
 十月二十三日、失業者ネットワーク福岡・筑後(世話人代表・大城敏彦)が、福岡県南地域の筑後市と久留米市に対し、失業者対策の強化を求める要請行動を行いました。(写真上・筑後市との交渉、写真下・久留米市との交渉)。
 筑後市、久留米市での行動には失業者中心に総勢二十名が参加しました。久留米市の交渉には地元の市会議員も同行しました。
 自治体独自の雇用創出や失業期間中の税金・保険料の免除などを要求し、続いて失業者の方々から「意欲があっても年齢制限などで仕事が全くない」「失業者は生きるか死ぬかの状況で苦しんでいる。行政はもう少し何かできないのか」「失業者の生活をもっと直接に支援してほしい」「市政に限界があるのならば、国や県を動かすよう市長に伝えてほしい。」などの切実で切羽詰った意見が出されました。また、新卒未就職者の厳しい現状報告と地域社会の今後への懸念なども意見が出されました。これらの意見に対する市の担当者からのあまりにも形式的で他人事のような回答に怒った失業者からは「このまま何もしなければ自治体も共倒れで失業者の暴動がおきる」と詰め寄る場面もありました。
 交渉終了後、参加者からは「もっと大勢で押しかけないと行政はまじめに考えない。百人、千人になると変わると思う。ネットワークを広げていこう」など、次の行動につながる意見などがだされました。
 なお広範な国民連合・福岡には強力なサポーターとして応援いただいています。
 今後の行動として、筑豊地域と北九州市にも要請行動をしようと失業者、サポーターと相談し計画をたてています。そして、十二月には数百名の規模で県庁交渉を予定しています。福岡の皆様のご支援をお願いします。(失業者ネットワーク福岡事務局)