永続敗戦レジームと改憲問題

2016-shinroRogo

白井 聡(京都精華大学人文学部)

 広範な国民連合・大阪が、5月25日、白井聡さんの「永続敗戦レジームと改憲問題」と題する講演会を開催した。本稿は編集部が、その講演から憲法問題の部分だけを取り出したものである。安倍政権は、秋の臨時国会にも「改憲案」を上程すると、異常なまでの前のめりである。9条改憲を阻止しなくてはならない。白井さんは講演の中で、改憲に反対する運動を発展させる重要な問題提起をしている。改憲を阻止する壮大な戦線を形成するうえで重要な意義をもつであろう。(見出しも含めて文責編集部)

 改憲問題が本格化しているが、これは安倍さんが執念を燃やしてきた課題です。ともかく、安倍さんに改憲などさせては絶対にならないと強く思っています。皆さんも同じだと思います。
 他方で、いまの憲法と現実に矛盾はやはりある。憲法を素直に読めば、一切の軍事力を持てないはずなのに、自衛隊はすごい武器を持っていますから、事実上の軍事力です。ですから「なぜ自衛隊を持てるのか」についての政府の公式見解はやはりまどろっこしいものになる。自衛隊の法的ステータスが脆弱と言わざるを得ない。しかも自衛隊の活動範囲はどんどん広がってきてしまった。南スーダンはようやく撤収ですが。法と現実との乖離が大きくなっているわけです。これを何とかしなくてはならないことは間違いない。 “永続敗戦レジームと改憲問題” の続きを読む

世界的な大動乱 自立した外交・安保政策を打ち立てよ

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『トランプ登場で激変する世界』著者

英 正道 氏・元イタリア大使 に聞く

 まずは、広範な国民連合の機関誌が私の本に関心を持って下さったことに感謝します。

 私はこの本で、トランプ大統領が登場したことで、アメリカという国がこれまでとは非常に大きく変わっていくと考え、その結果、世界は大きな転換点を迎えることになると強調しました。イギリスの欧州連合(EU)離脱も欧州に大変革を迫っています。つまり、世界は米国という求心力を失い、大国各国がそれぞれ、自国本位の主張をする乱れた状況になっていくということです。そうした世界で「日米同盟の日本」で今後もやっていけるのか、自立が問われているのではないか。いろんなレベルでこうしたことについて議論してもらいたいと思っています。そんな意味での「たたき台」のつもりでこの本を書いたのです。 “世界的な大動乱 自立した外交・安保政策を打ち立てよ” の続きを読む

官庁の民主化と食糧危機脱却、平和と民主主義を

組織綱領に発足した全農林労働組合

全農林労働組合 副中央執行委員長 柴山 好憲

 全農林労働組合(以下「全農林」)は、終戦後間もない1945年12月、中央省庁で最も早く組織された公務労働組合で、以降、封建的であった官庁の民主化や組合員の雇用・労働条件の改善には、国民・社会からの理解と支持が必要として反戦・平和などの大衆運動にも取り組み、72年を迎えようとしています。特に、公務関係労働者の雇用や賃金・労働諸条件の維持・改善に向けては、その先頭となって行動し、人事院勧告制度の機能化や休暇制度・勤務環境の整備を図ってきました。また、48年の国家公務員法改正により剝奪された公務員労働者の労働基本権奪還を組織の最重要課題に据え、今なおILO対策等に取り組んでいます。 “官庁の民主化と食糧危機脱却、平和と民主主義を” の続きを読む

規制改革推進会議の産業・構造政策がまかり通る農政

農業・農村の現場から今後の取り組みを考える

全日農書記長 鎌谷 一也

 6月最終の土日で、やっとわが集落営農法人の田植えが終了する。今年は、カラ梅雨。梅雨入りしたと思ったら、ほとんど雨が降らない。冬は大雪、雪害で大変であったが、その雪のおかげで、何とか水がもっている。食用米の田植えから始まり、飼料米、飼料稲と約65ヘクタールの田植えの完了となる。 “規制改革推進会議の産業・構造政策がまかり通る農政” の続きを読む

5月20日、北九州市で辺野古埋め立て土砂搬出阻止

土砂の採取・搬出という地域の課題を通して、沖縄の人びとと連帯

 5月20日、福岡県北九州市で、「福岡(門司地区)から辺野古埋め立て土砂搬出STOP! ふるさとの土は一粒たりとも戦争に使わせない! 福岡県民の集い」が開催され、県内各地から約140名の人びとが参加した。

この集会は、事務局担当の広範な国民連合・福岡をはじめ、労働組合や市民団体、個人が参加する実行委員会が主催し、200を超える団体・個人が賛同して運営を支えた。 “5月20日、北九州市で辺野古埋め立て土砂搬出阻止” の続きを読む

沖縄が米軍支配に放置された「屈辱の日」

サンフランシスコ講和から65年

「日米地位協定の抜本改正を求める東京集会」を開催(4月28日 東京)

 1952年のサンフランシスコ講和条約発効から65年目にあたる4月28日、「沖縄と連帯し、オスプレイ配備反対・米軍横田基地を撤去しよう 4・28 日米地位協定の抜本改正を求める東京集会」が開催された。
“沖縄が米軍支配に放置された「屈辱の日」” の続きを読む

危機が叫ばれる真っただ中に朝鮮訪問

渋谷区議会議員 芦沢一明

 「こんな時に北朝鮮なんかに行って大丈夫か?」「帰ってこられるのか?」 5月3日~8日の6日間の朝鮮民主主義人民共和国訪問は、メンバー6人全員が、事前の周囲とのこんなやり取りに苦労させられた。もとより、明日にも戦争勃発かという報道が溢れたこの時期をわざわざ選んだのではない。 “危機が叫ばれる真っただ中に朝鮮訪問” の続きを読む

「アメリカ第一」のトランプ政権とアジアの緊張、日本の課題

軍事大国化で「強い日本」か、平和・自主外交で真の自立国をめざすのか

日本の進路編集部

 トランプ政権成立から100日が過ぎた。普通は「ハネムーン期間」などと言われる安定期だが、この間はまったく違って、米軍によるシリアやアフガンでの爆撃・殺戮など戦争を含む激動となった。世界は今、緊迫の朝鮮半島情勢を息を凝らして見守っている。 “「アメリカ第一」のトランプ政権とアジアの緊張、日本の課題” の続きを読む

北朝鮮の脅威と日本の不可解な対応

2016-shinroRogo

<シリーズ・日本の進路を考える>
世界の政治も経済も危機は深まり、わが国を亡国に導く対米従属の安倍政権による軍事大国化の道に代わる、危機打開の進路が切実に求められている。
本誌では、各方面の識者の方々に「日本の進路」について語ってもらい、随時掲載する。(編集部)

丹羽宇一郎

 北朝鮮の脅威が再び高まっています。相次ぐ示威的な行動に対し、米国など国際社会も強硬姿勢を示しています。なんともきな臭い空気が漂う中で、どうしても首をかしげたくなる動きがあります。日本政府の一連の対応です。 “北朝鮮の脅威と日本の不可解な対応” の続きを読む

北海道の鉄道で何が起こっているか(上)

JR北海道の経営危機と鉄道網維持のあり方

北海道議会議員 梶谷 大志

1 はじめに

 JR北海道の経営危機の発端は、2011年5月に札幌市と帯広市を結ぶ、道内幹線である石勝線での特急列車脱線炎上事故であった。

炎上し、トンネルから牽引された列車
炎上し、トンネルから牽引された列車

 この列車はトンネル内で脱線し、煙で顔を真っ黒にし避難した乗客が、その恐ろしさも入り交じったコメントがニュースで放映された。
 あまりにも身近な出来事として、道民全体にとても大きな衝撃を与えた。しかも、当時の北海道議会議長までもが乗り合わせていたので、余計驚きを与えたのである。 “北海道の鉄道で何が起こっているか(上)” の続きを読む

輪島市門前町の産廃処分場建設反対運動報告

きれいな環境、生きられる故郷を守り、子孫に残す

輪島市門前町 舘谷富士夫

 原発と産廃の建設過程は似ていて、地域の共同体を分断させる手法もほとんど同じであることに気づいた。私は石川県志賀町に立つ志賀原発の隣町に住んでいる。輪島市門前町の家の前には、「志賀原発はもうやめよう ここから27‌km」と書いた2m×4mの大きな看板を国道沿いに掲げている。本題に入る前に反産廃の闘いに向け、住民はなぜ、建設当時も今も権力に取り込まれてしまうのかを考えてみた。そのことを冒頭述べさせてもらいたい。 “輪島市門前町の産廃処分場建設反対運動報告” の続きを読む

中原浩一 北海道農民連盟書記長に聞く

北海道農業の課題と抱負

中原浩一 北海道農民連盟書記長

新たに書記長に就任して

 私は和寒町で生まれ育ち、現在55歳です。農家を代々継承し4代目になります。父親の時代は、耕地面積は6ヘクタール(ha)ぐらいでしたが、私が就農し5年後に12‌ha、10年後には18‌haになって、平成17年に法人化して、今は会社の土地も含めて52‌haで営農しています。 “中原浩一 北海道農民連盟書記長に聞く” の続きを読む

極度に緊張激化する朝鮮半島情勢

緊張緩和へ日本は積極的に動くべき

 トランプ政権は、3月1日、朝鮮民主主義人民共和国(朝鮮)のたび重なる中止要求にもかかわらず、韓国とその周辺海空域で米韓合同軍事演習を開始した。史上最大規模の軍事演習が、4月末まで続く。

米空軍B1戦略爆撃機(右)とF15航空自衛隊戦闘機(左2機)の共同演習(防衛省HPから)

 地上配備型ミサイル迎撃システム(THAAD)を活用した訓練や、朝鮮の核・ミサイル施設への先制攻撃、さらには金正恩委員長の殺害を目的とする「斬首作戦」も訓練に含まれている。 “極度に緊張激化する朝鮮半島情勢” の続きを読む

謎の権力構造の正体– 「日米合同委員会」

真の主権回復と主権在民の実現が課題

『「日米合同委員会」の研究』の著者・吉田敏浩さんに聞く

 日米合同委員会は隔週の木曜日に、都心のニューサンノー米軍センターや外務省で会合を開いている。外務省北米局長が日本側代表に、法務省、農林水産省、防衛省、財務省などの高級官僚が代表代理(2016年10月現在)になっています。米側は在日米軍副司令官が代表で、在日米大使館公使を除いてほかは全員軍人です。こんな会合が何十年も密室で開かれて、米軍優位の日米地位協定の解釈や運用について協議している。そこでは米軍の要求が通っているのが実態です。 “謎の権力構造の正体– 「日米合同委員会」” の続きを読む