2022年一覧

広範な国民連合第25回全国総会

 

「戦争をさせない」対米自主の政治をめざす

原田章弘・代表世話人

 

 

 

 

 自主・平和・民主のための広範な国民連合は11月20日、第25回全国総会を川崎市で開催した。
 総会は新型コロナ感染症第8波が拡大のさなかで、1日だけという制約された日程ではあったが、全国からの参加とオンライ参加も含めて開催され真剣な議論が繰り広げられた。この間の総括を踏まえた議論を行い、総会議案と役員提案を満場一致で採択した。特に方針では、東アジアで戦争を起こさせない、そのために「対米自主、アジアの平和・共生」を一致点に広範な各界各層の国民の連合を促し、対米従属政治を打破するため奮闘することを確認した。戦争の危険を含む重大な情勢で、全国的に戦線形成を呼びかける総会となった。

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「専守防衛」と「全方位・アジア重視外交」の原則を変えてはいけない

中国敵視の「安保戦略」閣議決定を撤回せよ

 

『日本の進路』編集部

 

 岸田政権は12月16日、外交・防衛政策の基本方針という「国家安全保障戦略」など安保関連3文書を閣議決定した。「敵」基地攻撃など、わが国政府の外交・防衛政策の歴史的大転換である。明らかに憲法違反で、しかも先制攻撃で国際法違反になりかねない。こうした重大な決定が国会を完全に無視して強行された。

 敵基地攻撃の「抑止力」強化で、平和を確保することはできない。アメリカの対中国包囲網、戦争政策の最前線に立たされ、不測の軍事衝突がいつでも起こり得る。際限なき軍拡競争となり、アメリカから大量の武器を購入し、国民は軍事費負担に耐えられない。新たな「戦前」を引き寄せてはならない。

 中国敵視の安保関連3文書閣議決定の撤回を強く求める。

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ブックレット『復帰50年 沖縄を読む/沖縄世はどこへ』を世に問うて

米国への従属を転換する覚悟と戦略が問われる

一般財団法人・東アジア共同体研究所理事 高野 孟

 

 

 

 今年は沖縄の復帰50年という大きな節目の年で、1972年の沖縄返還協定によって沖縄が27年間の「アメリカ世」を脱して再び「ヤマト世」を迎えてからのこの半世紀を一つの時代としてどう捉えたらいいのか、沖縄の側ではもちろん本土の側も含めて、盛んな議論が沸き起こるものと思われた。そこで、私が属する東アジア共同体研究所の琉球・沖縄センターでは昨秋から準備して、『復帰50年 沖縄を読む/沖縄世はどこへ』と題したブックレットを編んで今春出版した。その第1部では、私が私なりのこの50年の概観的スケッチを描き、それを呼び水にする形で、本文に当たる第2部では、沖縄と本土の50人の多彩な方々に「この50年を考えるためのこの1冊」を選んでその推薦理由を短く鋭く書いてくれるようお願いした。そのような構成にしたのは、この大きなテーマを一つの角度で切り裂くことなど到底できるはずがなく、むしろ逆にさまざまな視点から光を当てて乱反射状態をつくり出すことの方が議論をにぎやかにするのに役立つだろうという判断からであった。

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長崎で日中国交正常化50周年記念集会

新時代の日中平和・友好関係をめざして

 

 長崎市で10月8日、〝新時代の日中平和・友好関係をめざして〟とのスローガンを掲げて「日中国交正常化50周年記念集会」(実行委員会主催)が開かれた。当初、9月19日を予定していたが台風の影響に伴い延期、43団体・法人と100人を超える個人の賛同を得て開催が実現した。県民、市民約150人が参加、来賓に長崎華僑総会、与野党国会議員秘書、県議会日中友好議員連盟の4県議をはじめ佐世保・厦門市青少年交流協会、県貿易協会、労組の代表者らも出席。多数の祝電・メッセージも寄せられ文字通り各界・各層、超党派による県民集会となった。

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日中国交正常化50周年に思う

国益を貫いた田中総理の英断

小長 啓一氏(元田中角栄総理秘書官)に聞く
(聞き手、本誌編集長・山本正治)

 

 

 

 こなが・けいいち 1930年生まれ。53年通商産業省(現経済産業省)入省、84年通産事務次官。アラビア石油(現富士石油)社長などを経て、現在、弁護士。田中角栄が通産相、首相の時に秘書官を務めた。

 

 日中国交正常化50周年に際して本誌(10月号)は、「この道をさらに前へ」との主張を掲げた。その中で当時の田中角栄総理の決断を、「歴史的な決断であり、かつ、50年を経過して激変の今日の国際社会でも、わが国の正しい進路の指針となる英断であった」と評価した。だが、50年前の状況を知る人は少ない。本誌は、通産大臣から総理大臣となった田中角栄氏の通産大臣時代から秘書官を務められた小長啓一氏に当時の状況と感慨を伺った。インタビューはくしくも9月29日となった。
 誌面の都合で割愛するが、日中関係だけでなく、第1次石油ショック時の総理大臣として展開された「資源外交」など興味深い話もお伺いすることができた。米英の石油メジャーが支配する中東依存ではなく、旧ソ連やメキシコなど中南米にも資源外交の足を延ばしたことなど、50年前のことではなく、今のこととして伺った。日本の政治家は、「自主的な日本」を目指す気概を受け継ぐ必要があると感じた。(山本正治)

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生活保護を阻害する扶養照会は不要!

全国の自治体での取り組みを

広範な国民連合・東京世話人/足立区議会議員 小椋 修平

 

コロナ禍で
職も住まいも失う人々

 新宿や池袋などで実施している食料配布・相談会にはコロナ禍以前は中高年男性が中心で100人~150人だったのが日に日に人数が増し、最近は500人を超える行列が続く。女性、若者、外国人など老若男女、幅広い世代が食料を求めるなど、リーマン・ショック時にもなかった異変が起きており、困窮者支援の現場は「社会の底が抜けた」状態が続いている。

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第18回全国地方議員研修交流会(7月23・24日、川崎市)から

日本農業と食料を守るために
農業振興こそ安全保障の要

鈴木宣弘先生の問題提起

 

第18回全国地方議員研修交流会(7月24日・川崎市)の第1分科会「日本農業と食料を守るために」の要旨を紹介します。鈴木宣弘東京大学大学院教授の問題提起、3人の現場報告、それに討論要旨です。危機的状況にある農業と、安全安心の食料自給の闘いを発展させる上で重要な問題提起になっています。(見出しとも文責編集部)

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酪農危機、農業・食料の危機打開を 永井 照久

危機打開を求める切実な声
大半の酪農場の経営が立ち行かなくなることは必至

釧路農協連(酪農技術支援室) 永井 照久

 

 酪農現場からの悲痛な声は強まるばかりです。
 これまでに幾度も厳しい情勢を乗り越えてきた酪農産業ではありますが、現在おかれている状況はかつてないレベルで生産現場を苦境へと追いやって、生産者の不安感を増幅させています。こうした状況が続くと、大半の酪農場の経営が立ち行かなくなることは必至です。それは単に生乳生産基盤を揺るがすばかりでなく、地域社会の崩壊などその影響は多岐にわたります。日本全体の活力に悪影響を及ぼすことが強く懸念されます。

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酪農危機、農業・食料の危機打開を 9月18日、釧路市

大半の酪農家が廃業してもおかしくない

9月18日、釧路市で約1000人が決起大会

写真提供:JA釧路太田

 

 酪農経営を守ろうと、北海道釧路・根室管内の農協や生産者約1000人が9月18日、釧路市で決起大会を開いた。
 冒頭あいさつした釧路酪対の徳田善一会長は「釧路・根室地区だけでなく、全道・全国の酪農経営が過去に経験したことのない危機的状況に陥っている」と述べ、国に対して緊急かつ強力なテコ入れ策を講じるよう求めた。

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酪農危機、農業・食料の危機打開を 鈴木 宣弘

これ以上放置できない農村現場の苦境

東京大学大学院教授 鈴木 宣弘

 

 

最悪の事態が起こる

 一昨年に比べて肥料2倍、飼料2倍、燃料3割高、と言われるコスト高でも、十分に価格転嫁ができない農畜産物。政策も動き始めたが、酪農については「追い討ち」的な乳雄子牛価格の暴落などで現場の苦境は深刻化している。
 そうした中、ついに、酪農家さんの自殺という最悪の事態に接し、無念と無力感にさいなまれる。政府の緊急補塡、乳製品による人道支援、急いでほしい。皆一丸となって国産乳製品を買おう。酪農家さん、踏ん張ってください。

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国民の命の危機と戦争の危機と

軍事費倍増ではなく、国民生活こそ防衛せよ

『日本の進路』編集部

中村進一 ( 三重県議会議員)

 10月から食料品価格が軒並み上がり、電気料金も前年同月比26%(東京電力)のアップだ。長く続くコロナ感染症もあって、仕事を失ったり、収入が大幅に減ったりの多くの国民にとって極めて深刻な事態だ。
 ところが、「防衛力の強化が最優先課題」とする岸田政権は、軍事(防衛)費を2023年度からの5年間で総額45兆円程度とする。倍増の大軍拡だ。武器を売り込む米国は大喜びだろう。だが、財政赤字を理由に毎年社会保障費は削減され年金も削られ、この10月からは後期高齢者医療費窓口負担が2割となった。国民の生命を削っての大軍拡を許してはならない。
 中国を「敵」にして軍拡を正当化する「国家安全保障戦略」改定と軍拡予算に反対し、「国民生活こそ防衛せよ」の声を上げよう!

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広範な国民連合第25回全国総会に求められること

戦争の危険迫る情勢
自公政権といかに対峙するか

『日本の進路』編集長 山本 正治

 核戦争の危険も迫る世界である。ウクライナ戦争は泥沼化の様相で、東アジアの緊張も高まる。戦争に反対する闘いは全世界的課題である。戦争は、貧困と貧富格差、気候危機にも拍車をかける。
 アメリカは、中国の不可分の一部である「台湾の独立」をそそのかし、中国の核心的利益を脅かし、ウクライナの次の戦争を挑発する。わが国政府・自民党やマスコミも、盛んに脅威を騒ぎ立て、大軍拡政策を正当化する。
 軍事衝突はいつでもあり得る情勢で、国民の危機感も高まっている。アベノミクスによる貧困化と格差の拡大、とりわけコロナ禍と最近の物価高騰で国民各層の生活は困難を極めている。その上軍事費増の負担が待ち受ける。

 7月の参院選の「自民大勝」で、「黄金の3年間」などと岸田自公政権は、憲法改悪も含めてやりたい放題の状況を手に入れたみたいな評価が広まっていた。だが真夏の夜の夢だった。内閣支持率はついに30%を切り、政権はいつまでもつのかの状況となっている。
 しかし野党第1党の立憲民主党など野党は、先の参院選でもまったく振るわず、その後も、支持率にも見るべき変化はない。窮地の自公政権だが、野党も攻勢に立てていない。野党は残念ながら国民の期待に応えられない。
 自公政権と対峙し打ち倒す方向を再検討しなくてはならない。そして国民的力の結集が急がれる。11月20日開催の広範な国民連合全国総会もその機会にならなくてはならない。
今こそ生かすべき

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広範な国民連合 第25回全国総会について

日時:

2022年1120日(日曜日)
午前10時半から午後4時半まで
(コロナ対策で1日のみにします)

会場: 東京近郊
(コロナ対策を徹底し定員を制限して開催)
オンライン併用のハイブリッド方式で開催。
申し込み 会場参加もオンライン参加も、事前申込制。
会員でない方のオブザーバー参加も歓迎します。

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各地の活動 ■ 広範な国民連合・東京

在日米軍基地を知る連続企画を開催

広範な国民連合・東京

 

 広範な国民連合・東京は、4月に総会を開催し、その総括会議で、敵基地攻撃を公言するようになった岸田政権の下では、「米軍総司令部が置かれている横田基地は大変危険な存在だ」との共通認識を持ち、横田基地と「横田空域」を知り・知らせる運動の準備を進めていました。8月にペロシ米下院議長が、中国の反対を押し切って訪台し、東アジア情勢はかつてなく危険な状況になりました。そうした緊迫する情勢下で、「在日米軍基地を知る―講座とフィールドワーク―」を実施しました。

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