第4回全国世話人会議の報告

国民の「命と生活」の危機打開に全国で注力 
日中と沖縄、「二つの50年」を自主・平和へ闘う

広範な国民連合全国事務局

 広範な国民連合は、第4回(第24回総会期)全国世話人会議をオンラインで1月29日に開催した。若干の地方サテライト会場を含めて、全国で50人弱の全国世話人とオブザーバーが参加し熱心な討議で、第25回全国総会開催を含む闘いの方針を決定した。新しい政治を求める国民の要求は高まっており、広範な国民連合を強化し、広く共同し闘うことを確認した。


 会議は、西澤清代表世話人(元日教組副委員長)が司会した。冒頭、角田義一代表世話人(元参議院副議長)が、喫緊の課題としてのコロナ感染症対策強化と反貧困の闘い、米中戦争に反対し日本は協力しない日中不再戦の闘い、参院選で32の1人区を野党統一で勝ち抜くとともに改憲反対の野党で3分の1の議席を確保する、この3点を全国的な課題として提起した。
 続いて山本正治事務局長が、常任世話人会議からの「報告と提案」を行った。この期間の活動で特に重要だったこととして、日中国交正常化50周年を機に「原点に戻って」両国関係を平和的に発展させる闘いを呼びかけ共同を広げたこと、第17回全国地方議員交流研修会をオンラインで開催し、交流連携を促進したこと、それに『日本の進路』誌が充実し特に「特別号」は評価を高めていることを挙げた。また、名護市長選は残念な結果に終わったが、「施政権返還」50周年の今年、玉城デニー氏再選の知事選へ沖縄と連携した全国的闘いの強化を提起した。
 討議では、全国の活動と経験が報告された。山内末子全国世話人(沖縄県議)は、名護市長選結果と沖縄の闘いの現状を特別報告した。中村元氣全国世話人(福岡県日中友好協会事務局長)は、「日中国交正常化50周年を祝う九州日中友好大会」の報告をした。
 広範な国民連合はこの期間も全国で、制約はあっても人びとの要求と情勢に応え奮闘した。しかし、非正規労働者を中心に深刻化している貧困の問題、それに農林漁業と地方の荒廃の問題が出され、この困難を打開するうえで、先進的な活動に学び取り組みを強めることを確認した。同時に、危機を打開する政治の実現が急がれ、政治を変える勢力形成を促す重要さを確認した。

第4回全国世話人会議の方針骨子

1.この時期に特に重視して取り組む課題
(1)自主・平和、アジアの共生の国の進路をめざす

①政府の中国敵視政策に反対する

 米中戦争に反対し、日本の参戦、協力に反対する。「日米2+2」合意、中国を「敵」とする南西諸島での日米共同作戦態勢構築に反対する。戦争挑発の「台湾独立」へのテコ入れに反対する。日米同盟強化に反対し、日米地位協定の抜本改定を求める。
 抑止力一辺倒でなく、「日中国交正常化の原点」に戻り、日中両国を中心にアジアの平和・共生の外交を求める。
・全国各地で、「日中不再戦」の国民世論を盛り上げる集会、シンポジウム、懇談会、申し入れ等を行う。
・政府に対中国平和外交の積極推進を求める意見書提出を地方自治体議会に求める運動を呼びかける。

②沖縄県民の闘いを支持する

 沖縄を再び戦場とさせてはならない。辺野古新基地建設に反対し、普天間飛行場の即時閉鎖を求める。
・沖縄「施政権返還」50周年の今年、改めて沖縄県民の闘いの歴史に学び、全国で連携した闘いの発展を促す。
・沖縄県知事選勝利のため全国で奮闘する。

③即時無条件の日朝国交正常化を求める
 今年は、日朝平壌宣言から20周年の年である。即時無条件の国交正常化を求める。
・訪朝団、訪韓団を検討する。

④軍事大国化反対、非核の総合安全保障政策と東アジア諸国の安保体制確立をめざす
 国家安全保障戦略、防衛大綱、中期防衛力整備計画などの見直し、中国敵視に反対する。空母保有や巡航ミサイルなど敵基地攻撃力強化など、軍事力強化、防衛費大幅増額、軍事大国化に反対する。
・核兵器禁止条約の批准を求める。
・軍事力一辺倒でない総合的な安全保障政策をめざす。日中(韓)の「歴史的な和解」を追求し、東アジア諸国の相互安全保障協力態勢の構築をめざす。

(2)国民の命と暮らし、経済を守る

①コロナ感染症対策徹底と貧困対策

 コロナ感染症から国民の命と健康を守る、コロナ貧困から生活を守ることは当面、喫緊の課題である。
・政府と自治体に、国民の命を守る感染症対策、万全な医療・治療体制を求める。
・完全な休業補償と生活困窮者の生活支援強化を求める。
・仕事や住まいを失って激増する日常生活が困難に陥った人びとへの、全国各地で行われている炊き出しや食品配布、「子ども食堂」「大人食堂」、生活相談事業など、「新型コロナ災害緊急アクション」をはじめとする、貧困問題打開のためのさまざまな取り組みを支持し協力する。
②農林漁業の復興、食料安全保障の実現をめざす
 食料自給率向上、特に主食である食糧、飼料の完全自給を達成して、安全安心の地産地消、食料安全保障確立をめざす。小規模家族農業(林漁業)を基本に持続可能な農業(林漁業)の発展を図る。青年の新規就農を支持し、自立できるまでの財政支援を強める。
・全国地方議員交流会「農業部会」(仮称)の取り組みを発展させる。
・地域自給循環型の先進例に学び、全国に広め、地方自治体での取り組みを促す。

(3)憲法改悪と民主主義破壊、民族差別に反対し、平和・民主主義の徹底を求める

 憲法9条改悪策動を許さない。
 共謀罪、秘密保護法、重要土地利用規制法などの撤廃、いっさいの民主主義破壊策動、監視社会化、警察国家化反対。
 朝鮮学校と幼稚園・保育園の無償化を求める。韓国・朝鮮・中国敵視、民族差別に反対し、一切のヘイトクライムを許さない。
①近隣諸国との友好協力を重視する。アジア近隣各国の「今」を正確に知り知らせること、日本に住む中朝韓など東アジアの人びととの友好交流を促進する。
②日中両国の相互理解の発展をめざす、「日中時事交流フォーラム」を支え、発展させる。
③実行委員会をつくり青年学生訪中団の派遣をめざす。中国東北地方を参観し、「満州国」、侵略の歴史に学ぶとともに、中国の青年学生と交流する。

2.参議院議員選挙について

 自公政権を追い詰めるとともに、対中外交、対韓外交など「自主・平和・民主」の国の進路のために、広範な国民連合と共に奮闘する国会議員を増やす。
・1人区では、「野党統一候補」実現の努力を支持し、当選のために奮闘する。
・賛同会員の候補者は、広範な国民連合として推薦し、当選のため奮闘する。

3.第18回全国地方議員交流研修会を成功させる
4.日中国交正常化50周年記念の「広範な国民連合訪中団」を派遣する
5.広範な国民連合の組織強化、発展のため奮闘する

①推薦地方議員を増やすとともに、全国的な地方議員ネットワークを発展させる。
②『日本の進路』読者を増やす。全国に会員を増やし、組織を強化する。
③特に青年学生への働きかけを重視する。

6.第25回全国総会について

 本年11月開催を予定する。