「日中衝突を煽ってはならない」大石あきこ

 衆議院「人権状況決議」 

れいわ新選組はなぜ反対したか

大石あきこ 衆議院議員に聞く

  れいわ新撰組は2月1日、衆議院本会議での「新疆ウイグル等における人権状況決議」に、唯一反対した。マスコミや政界挙げての「反中国」の大合唱の中で、正論を貫く非常に勇気ある態度だった。衆議院議員、れいわ政策審議会長の大石あきこさんに聞いた。(見出しとも文責編集部)

 人権状況決議になぜ反対したか。党全体としては、国会が自分たちの国のことは棚に上げて、やってる感を出すな、簡単に言うとこの思いです(声明 https://reiwa-shinsengumi.com/comment/11383/)。この決議の背景には自民党保守派の自己アピールみたいなものがあって、中国に対して強く言ってやったみたいな有権者向けにアピールするという歪んだ目的がありそうです。そういう歪んだ目的を持った決議に与することは反対だということでした。

 日本や日本の国会が、これまで国内の人権についてきちんと向き合ってきたのか。あるいは決議を推進した人たちが大事な仲間だとしているアメリカが、世界や自国内で何をやっているんですか。最大の人権侵害国家ではないですか。それに追随しているのが日本じゃないですか。
 なのに、他国の人権侵害をあれこれ言う。しかも見に行ったのかというと誰も行っていない。確信もって言えるのかというとそんな人は誰もいない。それでいて、全員で決議を上げようやと。冗談じゃない。
 ただこの反対を決める過程ではすごく重苦しいものがありました。やはり今、日本全体は圧倒的にアメリカ追従です。そのアメリカと仲良くするのが多くの人々の大前提です。今、世界で何が起きているかというと米中対立です。国会の中でも、アメリカにつくことを前提にどう中国に対抗するのか、みたいな意見だけです。しかも、軍事的にどう対抗するかだけ。
 それが当たり前になっている国会の中で、「その構図やめませんか」と言うのはすごく重いものがあった。だからふたを開けたら「れいわ」だけという結果でした。残念ながら。
 以前は、「こういう構図でものを考えていたら世界戦争になるよ、止めましょう」と言える野党がいたはずなんですね。ところがもう、立憲だろうと共産党だろうと反対と言わず、積極賛成。
 「れいわ」しかノーと言っていないっていうのは、ものすごい空気でした。だから、その空気を破るという積極的な意味があったと思っています。それを「れいわ」という会派で一段階乗り越えた。
 経済戦争が激化し、軍事での戦争もそこここで起ころうとしている世界です。その中で「れいわ」が反対できたというのは、すごいことだったと思う。
 過去においても、本来、確信を持っているような人たちまでもが結局自国の戦争に賛成していく、そういう歴史があった。そうした歴史をひっくり返すために私は政治活動していると言っても過言ではありません。
 ですので、自分の中では微力だなと、力のなさをこの決議をめぐるやりとりでも実感しています。でも反対をゼロにさせなかったということは、これから大きく歴史を変える可能性はあると思っています。これは私の個人的考えかもしれませんが。

米中どちらの側にも立たない

 私が中国政府に対してどういう考えを持っているかというと、中国政府も悪いと思っています。でもそれを、日本の政府側と同じ立場に立って言おうとは思わない。
 日本政府は交代させないといけない。日本政府が人権侵害をやっているんですから。人権侵害やっている日本政府を交代させる、この権力を奪取する、倒すということです。倒さなくてはいけない政権の人たちと、同列になって中国政府に対してどうこう言う、そういうポジションに立つこと自体が危険だと思います。
 こうしたことが前提として自分の中にあります。日中関係は、常に草の根の人々によって構築されるべきだと考えおり、私はそういう立場の代表として国会に入ったつもりでいます。今後も日中関係を私が語る時には、まず日本国内において上流階級のための政治をやっている日本政府を倒すことが前提でなければいけない。
 日本はアメリカの戦争に追随するなということですよね。アメリカが中国と戦争を起こすのに協力しない、反対しなくてはならない。
 日本は地理的に重要な位置にあります。既に南西諸島が戦争の拠点にさせられている。台湾有事などと煽って、アメリカも軍備配備を進めて日本もむちゃくちゃ協力しているわけですよね。それを止めなくてはならない。
 世界戦争を推進する立場に今の日本はなってしまっている。米中戦争、そこから撤退する、どちらの側にも立たないことが、日本が今なすべきことだと言えます。
 日本国内のことだけを言っても、こんなものに巻き込まれて得するのは日本の資本家であって、日本に住んでいる人は漏れなく全員ひどい目に遭うわけです。右派は本当にいいかげんにしろよと言いたい。
 自民党の右翼っぽさをアピールしている人たちは本当に今の日本が軍事的に中国に対抗できると思っているんですかと聞きたい。アメリカが、いざという時に守ってくれるなどと思っているんですかと聞きたい。また、「守ってもらう」ということでいいのですかと。
 何か偶発的なことが起こっちゃったらどうするんですか。日本国民全体、原発も立地したり、そういう中で一生懸命に生きているんです。中国からしたら、戦争をやろうとしたら一発なわけです。

究極の選択が迫られている

 世界中が危機的状況の中で、新しい答えを見いだせない。
 戦争という古いやり方でやったらこの世界は最期ですね。各国政府も、世界戦争になったら本当にやばいぐらいの考えはあるんでしょう。しかし、資本主義の必然として訪れる世界的な恐慌、今はその行き詰まりです。世界的な「過剰生産」の中で、市場を巡る争奪が限りなく激化しています。この激しい競争に勝ち抜こうとすると、最終的にはどこかの生産力をぶっ壊して新たな需要を生み出すという帝国主義的な戦争になってしまう。
 ですから世界中で一回、資本主義というものを捉え直さなければいけない。よく考えて、答えがあるとしたら、それは資本主義ではなくなっていると思うんです。
 外国の市場のためではなく、まずは国内で民が必要なものを自分らで生産するだけの生産力が、ほぼどの国にも備わっています。そこに回帰しようということ。そこのところに立ち返って、国内の庶民のための生産に戻していくことを各国が約束していく。その約束がもしあり得るとしたら、庶民のための政権でなくてはできない。生産体制をつくり直して、当たり前の需要と供給という経済を国内でつくることに主眼を置きましょうということです。
 人類を絶滅させるんですか、それとも何とか生き残るんですか、という選択が政府たちの喉元に突き付けられている。そこしか選択肢がなくなっているのは政権の側です。
 私は割と古い伝統的な左翼思想に基づいています。ですので、広範な国民連合の皆さんとはイコールではないと皆さんの読み物を読んだりして思っております。けれども、今「中国と仲良くせなあかん」というか、そういう自制を促すということですよね。挑発ではなくて、そういうことを言っている勢力というのが結構少なくなって、広範な国民連合の果たす役割すごく大きいなって、ありがたいお友達のような存在だと私は勝手に思っております。ぜひ活躍していただきたいし、連携できるところはお願いしたいなと思っています。