中日平和友好条約締結40周年記念座談会 その4

以下、「座談会」報告第4回(最終回)です。いくつかの重要な発言を割愛したことをお詫びします。(編集部)

中日友好協会
王占起 副秘書長

 民間友好というのは中日の間の大きな関係の特徴の一つであり、中日友好に大きな役割を果たしていると思います。2015年、習近平主席が中日友好交流大会の中で「中日友好の基盤は民間にある」と述べましたが、そのとおりです。近年、中日関係はさまざまな厳しい局面に立たされていますが、特にそういうとき私たち友好協会は民間の間での活動をさらに力を入れ、さまざまな困難を乗り越えて両国国民の関係改善のために尽力してまいりました。
 そのため私たち協会は以下のような活動をしてきました。
 まず一つ目は、歴史の接点、友好の接点などに立って中日友好のためになる活動をたくさん催してきたことです。去年は中日国交正常化45周年の年でありますが、私たち協会は10年ぶりに中日友好の交流大会を開きました。両国各分野の参加者は300人を超えました。その際、中国政治協商会議の兪正声主席も日本の河野洋平さんと会見しました。
 また、北京での都市間の卓球大会、もう一つは日本で中国の伝統的な舞劇である「朱鷺」の公演をして、1万5千人以上の観客を集めることができました。そして歴史的な競演を果たすこともできました。それは中国の京劇と日本の歌舞伎を同じ舞台で披露することです。このような交流活動を通して両国国民の心理的な距離を近づけることができました。
 またその他にも地域交流、地域経済面での交流の懸け橋になるような活動にも力を入れてきました。
 四つ目には青少年間の交流を深めることにも大きく貢献してきました。去年の青少年交流は大きな規模となり、わが協会が組織した活動だけでも6千人以上の参加者を募ることができました。
 このような交流活動を通して、私たちは日中間の一番困難な時期はもうすでに乗り越えられているというふうに思います。そして中日友好に対する両国国民の積極性があり、友好に対する自信とその強い願望もさらに強くなっていると思います。今年は中日友好の兆しが良い方向に向かっているとみています。良い軌道に乗ってさらに中日友好のためになるような事業に力を入れていくべきだと思います。

日本新潟市産業振興財団北京事務所
池田比呂哉 主席代表

 私からは、民間交流、人と人との交流が大切だということ、特に地方交流の視点からちょっとお話しさせていただきたいと思います。北京には沖縄県、それから札幌市、そして私ども新潟市が事務所を構えまして、主に観光誘客や物産のPRとかの仕事をしています。両国間にはいろいろな困難、さまざまな困難な時期もございますけれど、やはり人と人の交流、草の根交流が大事だと思います。
 日本の360の自治体が中国の都市と姉妹都市を締結しております。私ども新潟市も黒竜江省のハルビン市と1979年以来交流を続けております。こういった友好都市との交流も人と人の交流を推進する一つの形だと思っています。
 ここの交流で大事になってくるのは、やはりその交流を下支えする市民の母体があるかどうかということです。新潟市には幸いにしてその姉妹都市交流を後押しする市民の「新潟・ハルビン友好市民の会」と、中国からの留学生をお世話している市民団体や中国の文化に触れようという民間の団体などが多数あります。今は春節ですが、ここ数年中国の総領事館とそういった市民団体、それから新潟市、県、商工会議所、それから商店連合会、組合などが一致団結して実行委員会を組んで春節を盛り上げるイベントがだんだん新潟市内で定着してきております。市民の中国に対する好意も高まっていくのではないかなと思います。
 もう一つは先ほど来やっぱり若者、若手、子ども等々の交流が非常に今後重要になってくると、やはり次代を担う子どもたちの交流というのは相手の国を知る、相手の文化・習慣を知る、そういったことが非常に大切になってくるのではないかと思っておりまして、われわれ行政もそういった交流を下支えするようにいろんな支援策を展開しているところです。やはり若い方が実際に中国の方あるいは韓国の方と交流する、百聞は一見にしかずということで、そういった経験、交流を通じた友好関係というのが固い絆となって、今後の両国間の信頼関係を軸に非常に有意義になってくるものだと思っています。
 国と国とがうまくいっていない時代、時期でも地方レベル、人と人との交流は普遍的なものだということ、そこで大切となってくるのはやはり草の根交流です。そういった交流を通じてできた古い友人関係が日中友好関係の強固な土台になっていくものだと信じています。そのような地方交流を通じて市民の皆さんの民意を固めていく、そういったことの支援を地方行政としてはこれからも推進したいと思っています。

中国労働者対外交流センター(中華全国総工会)
李晶宇さん

 中国労働者対外交流センターは中華全国総工会の対外窓口の一つであり、1984年の成立以来ずっと中国工会と中国労働者の対外交流活動のために力を尽くしてきました。
 今日この場で広範な国民連合の皆さまとお会いできたことを光栄に思います。広範な国民連合の創立者の槙枝元文先生は、日中技能者交流センターも設立されましたが、その中国でのパートナーが私たち中国労働者対外交流センターであります。
 習近平総書記は中日両国の関係の基盤は民間にあるとおっしゃいました。中日両国の工会は中日民間の友好交流を続けていく重要な力です。非常に重要な役割を果たしてきています。中日国交正常化が実現する前、中日両国の工会の先輩方はさまざまな困難を乗り越えて交流と協力の活動を催し、中日両国の国交正常化の実現に大きな貢献をしました。
 これから中国労働者対外交流センターが中日民間交流の面でどう進めようとしているか簡単に紹介したいと思います。
 一つ目に歴史について交流を進める。「歴史を鑑として未来に向かう」という言葉にあるように、中日関係が良好な発展を遂げるためには歴史問題について正しい対処をしていかなければなりません。そのためにはかなり多くの日本の方々に中日間の歴史の真実について知ってもらう必要があります。私たち交流センターは歴史問題についてかねてから日本の工会とさまざまな交流を展開してまいりました。そして4年間連続で日本の工会の皆さんを南京大虐殺記念館に招待して共に見学をしました。そしてその他にも日本の工会の皆さんには中国東北地区の731陳列館や918事変記念館また平頂山の記念館などを見学していただきました。また中日教育工会の先生たちに歴史教育問題についてのフォーラムに参加していただきました。これらの活動は日本の皆さんに日本の侵略戦争の真実について知ってもらい、そして正しい歴史観を築いてもらうことにとって重要な意義を果たしています。
 二つ目は社会公益事業についての交流活動です。私たち交流センターは日本の国際企業などと共に世界の貧困地域に生活する子どもたちの教育問題および環境保全問題について交流を展開してまいりました。また長年にわたって中国の河北省や内モンゴル自治区などの地域に招いて木を植える活動を行ってきました。中日の労働者たちは共に環境保全、地区の緑を守るために大きく貢献し、緑の木を植えるとともに友情の種も播いてきました。
 三つ目には技術の進歩について交流を深めることです。

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