第23回全国総会決議

自主・平和・民主のための広範な国民連合 第23回全国総会決議

激動の内外情勢と当面する方針

(1)世界は文字通り戦争を含む歴史的激動、転換期となった

世界経済は右肩下がりに停滞傾向をいっそう深め、新たな金融経済危機も迫っているといわれる。政治危機も広がり、相互に結びついて危機を深めている。各国国民だけでなく支配層も現状に耐えられなくなった。危機を相互に押し付け合い、各国間の矛盾も著しく激化している。
大国の世界支配で何世紀にもわたって圧迫され続けてきた新興国の経済発展が急テンポで進み、なかでも中国が2030年代にも経済規模でアメリカを上回ると目されている。購買力平価GDPで見ると、すでに上回っている。世界経済の構造変化が劇的に進んでいる。
中国は今回の党大会で、「一帯一路」構想を党規約にも明記し、巨大な経済圏を実現し建国100周年の49年までに「現代化強国」を建設することを決めた。第2次大戦後のアメリカの世界支配に対抗する方針を公式に打ち出したといえる。
こうした中で、戦後世界を支配し国際関係を「秩序」付けてきたアメリカで、国内矛盾の激化を背景にトランプ政権が登場、核軍事力も強化し、なりふり構わず「自国第一」で巻き返しに出ている。とりわけアジアでは、朝鮮への圧迫を強め、戦争の危険を著しく高めている。アメリカの戦略的狙いは一貫して、中国が自国をしのぐ大国として登場するのを許さないことであり、米中関係は緊張を高めている。
原子力空母3隻を伴ったトランプ大統領の日本から始まるアジア歴訪とAPEC会合までの一連の会議では、そのつばぜり合いが随所に現れていた。
米中の経済関係は深い相互依存関係にあるが、予断は許されない。歴史上の覇権交代は戦争を伴っていて、「ツキジデスの罠」などといわれる。既存の覇権国は黙って引き下がらないからだ。米中関係は今後どうなるか。その帰趨は世界の命運を左右することになる。
世界は、戦争の危険も含む文字通りの激動、転換期となった。

(2)その世界で、各国国民の貧困化と貧富の格差拡大が進み、国内対立も国家間対立も急速に激化している

トランプ政権で、世界のすべての国は存亡の瀬戸際に立たされることになった。どの国の支配層も他国に犠牲を押し付けてでも、自国を守らざるを得ない。欺瞞であろうが何であろうが、ここを乗り切らないと国民によって政権が倒される。
どの国でも貧困が急激に進み、貧富の不平等が著しくなって国内対立が激化している状況だからである。この危機の中で、金持ちはますます大金持ちになり、大多数の貧困化が急速に進んだ。世界で最も豊かな80人が、世界中の貧しい方の半分の人口、約36億人分と同じだけの資産を有するという。1988年から2011年の23年間に、世界人口の「最も貧しい1割」の人びとでは増加した収入はわずか65ドル。ところが、「最も豊かな1割」の人びとは1万1800ドルも増え、最貧困層のおよそ182倍も増加、格差はさらに急速に拡大している。世界の難民は、昨年末時点で過去最高の推計6560万人に、世界の失業者は、17年に340万人増加して合計2億110万人になる見通しである。
世界各国で、貧困化と不平等、貧富の格差、矛盾がますます激化する。この基礎の上に各国政治の激変と、戦争を含む国際政治の激動、世界の転換期が形づくられている。
政権基盤が不安定なトランプ政権の当面する最大の課題は、雇用を増やし政権基盤を維持することである。量的・質的金融緩和といわれた中央銀行によるマネー垂れ流しの経済は、どこから見ても限界である。全世界の人びとの貧困化で金がなくて必要なものが買えない需要不足を、金融、すなわちバブルで補う経済手法が長くとられてきたが、限界に達している。
トランプ政権は、一つは他国の犠牲で自国経済を維持する、「巻き返し」である。TPP協定すらほごにして、アメリカはより有利な経済関係をめざしている。
もう一つは、限りない需要を生む、経済の軍事化である。日本、韓国で、トランプは米国製武器購入を声高に迫った。トランプ大統領の政権基盤がさらに揺らいだら、どのような選択肢があるのだろうか。歴史を振り返ると最悪の事態に備える必要があるだろう。
激しい保護主義の応酬となっている。第3次産業革命などといわれる技術革新をめぐる争い、市場争奪やM&Aでの企業の乗っ取り合い、エネルギー資源の争奪なども激化する。食料や水の争奪も激化し始めている。金融やサイバー空間でも「戦争」となっている。
こうした中で、先進大国間での争奪は激化し、米欧分裂が公然化した。EU共同独自防衛が強められ、ドイツなどは公然と「対米自主」を唱え始めた。

(3)各国間の矛盾、大国間の対立も、とりわけアメリカと世界中の国ぐにとの矛盾が急速に激化した

中国やロシア、それにインドなど新興大国も、相互に矛盾を含みつつも、米欧の大国支配に対抗し、世界政治の前面に登場する戦略的対抗を発展させている。
東アジアでは、朝鮮戦争以来、米軍の核軍事包囲の中で苦しめられてきた朝鮮民主主義人民共和国は、アメリカの核包囲、軍事挑発に対抗し、核ミサイルなどで軍事力を強化し自国を守ろうとしている。韓国ではムン・ジェイン政権が、国内外に困難を抱えた中で成立し、自主・平和、南北融和の動きを進めている。フィリピンのドゥテルテ大統領はじめASEAN諸国も対米自主を発展させている。
アジアでは、アメリカによる戦争の危険も高まっているが、同時に、「アジアのことはアジア人の手で解決する」という歴史的な流れが始まっているのも特徴である。
このアジアで、日本はいつまで没落するアメリカと日米同盟強化で運命を共にするのか。わが国は戦争に巻き込まれることになりかねない。いずれにしてもアジアでのいっそうの孤立化は避けられない。資源もなく、市場も狭く、エネルギーも食料も外国に依存するわが国は、日米同盟に縛られて、まさに死活的な事態となった。
アメリカからの完全な自立で、自主的な日本、アジアの平和・共生だけが展望である。

(4)戦後の自民党中心の対米従属の政治支配は完全に限界にきた

戦後の直接占領から日米安保体制で日本を支配下に置いたアメリカが、今や完全に余裕を失った。特にトランプ政権は徹底した「自国第一」で、対日政策もより強硬となる。アジアの諸国家間の力関係も激変した。戦争の危険も高まった。
こうした国際環境の激変は、安倍政権がどうにかできるものではない。
自民党など戦後の保守政党による政治支配、屈辱的な対米従属体制は完全に限界にきた。
歴代自民党政権の下で、以前から労働者と農民、商工自営業者など国民各層の大多数は生活が成り立たなくなっていた。特に、農林水産業は工業製品輸出の犠牲となって徹底的につぶされ、地方の貧困化、過疎化が進行し、国土は荒れ放題、大災害も頻発している。食料の大半を外国に依存する哀れな民族となっている。対米従属の原子力政策は、福島原発事故を引き起こし、多くの人びとの故郷を奪い、生活を破壊した。もはや限界である。
都市と農村の自営業者は、2005年から15年までのわずか10年間で、約96万人、15%も減少した。農民は、34万人、25%も離農させられた。小売店主は22万人、42%も廃業に追い込まれた。
しかし安倍政権のアベノミクスで、輸出大企業は莫大な利益を上げた。大企業の内部留保は16年度末406兆円に、前年比28兆円余、7・5%増(この10年間で270兆円から50%増)。他方、「労働分配率」は5年前の72・6%から昨年度は67・5%に急低下した。内需は増えず、デフレ脱却などできるはずがない。
株式や土地を持った一部の富裕層だけが豊かになった。純金融資産1億円以上の富裕層は、09年から15年までの6年間に37万人、44%増加、その保有資産総額は40%増となった。なかでも5億円以上の超富裕層は5万人から7・3万人に、その資産は67%も増えた。
急速に貧困化する労働者、自営業者、零細・中小企業など国民大多数との貧富の格差、矛盾が著しく激化している。人びとは闘いを求め、政治の変革を求めている。
こんにちの政治状況の背後には、この対立激化がある。対米従属のグローバリズム、日米同盟路線の生み出した諸矛盾である。
特に日米同盟による安全保障政策の破綻が明らかだ。アメリカは、中国や朝鮮を敵視し、戦争の危険を高めている。しかし、アメリカが自国を犠牲にして日本を守るはずはなく、むしろ危険が高まった。「日米同盟で日本は安全か」との危惧が支配層、保守層の中にも広がっている。戦争挑発を繰り返す在日米軍とその基地を、朝鮮の核ミサイルが狙う事態となり、わが国の安全・国民の生命が脅かされる事態となった。にもかかわらず11月の日米首脳会談で安倍首相は踏み込み、トランプ大統領に約束した。
沖縄を差し出し、軍事費増額でアメリカから高額の武器を大量に買い、国民生活を犠牲に軍事大国化、憲法改悪に突き進んでいる。そのための国内体制の反動的再編、司法や教育の反動化、監視国家化、警察国家化も進んでいる。安倍が唱える「強い日本」である。これは、時代錯誤で、民族的破滅の道である。
この背景には、わが国独占大企業や大銀行の多国籍企業化が一段と進み、利益の大半を海外で稼ぐようになった現状がある。彼らは自分たちの利益・権益を守り強化する国際的な発言権、そのための軍事力と外交を必要としている。同時に、大多数の大企業は中国市場などアジアを主要な稼ぎどころとしている実際もある。対米従属で中国敵視の安倍政権、大国化路線との矛盾は避けられない。
今、TPPすら拒否し自国第一を貫くトランプ政権で、農畜産物などの市場開放だけでなく、アメリカ市場依存で発展してきた自動車産業など輸出大企業にも見直しが迫られている。特に、自動車産業はトランプに狙われている。しかも、急速なEV(電気自動車)化の波が始まっている。EVでは、エンジン自動車と比べて部品点数は激減する。ライドシェアのような産業革命も進む。
製造業の中心である自動車産業は大再編期を迎えている。輸出企業に支えられて辛うじて維持されてきたような一部の地域経済にも大きな影響が及ぶことになる。
農林水産業をはじめ地場産業や地域経済、国民経済と国民生活が犠牲にされても、輸出大企業がアメリカに工業製品を輸出して「経済発展」する日本は、もはや幻想となった。ひと握りの大企業はさらに「多国籍化」し、国を捨てて生き延びる道を進む。労働者や中小下請け企業を犠牲にする。
だが、国民大多数はそうはいかない。この国を捨てて生きることはできない。
対米従属の安倍政権を打ち倒して、アメリカのアジアに対する介入支配、戦争挑発に反対し、また、わが国支配層・安倍政権の中国敵視、アジア覇権に反対し、平和と安全を確保し国民生活を守るために、自主的な日本、アジアで共生する日本を実現する道に踏み出さなくてはならない。

(5)代わるべき政治勢力が見えない

屈辱的な対米従属政治、安倍政権は、完全に行き詰まった。だが、代わるべき野党、政治勢力がない。野党各党は国民的な怒りと力を結集できずに、安倍政権の存続を許している。10月の総選挙結果は、それを端的に示した。選挙制度の問題もある。いずれにしても政党の離合集散でどうにかなる問題ではない。
広範な国民の中には、不満と怒り、変革への熱望が広範に蓄積されている。チャンスさえあればそれは噴出する。
対米従属政治の諸悪を集中的に押し付けられ、犠牲にされてきた沖縄県民は今、翁長雄志知事を先頭に安倍政権と真っ向から対峙し、前進して、全国を大きく激励している。TPP問題を中心に、対米従属政治への怒りは、昨年参院選での東北の乱や北海道での自民党惨敗、新潟県知事選結果などに象徴的に表れた。戦後自民党の最大の基盤だった農民層をはじめ、広く保守層を含む国民の政治意識の変化が表れた結果だ。
7月の東京都議選の結果は衝撃的だった。地方だけでなく、首都圏大都市部でも生活や格差への不満から政治不信が進行していることが明らかとなった。これまでの政治の持続は不可能である。
こうした国民的力の結集こそ、政治を変える最も確かな力となる。
10月の総選挙でも、自公圧勝の議席数とは別に、有権者の意思は明確に「安倍政権NO!」だった。貧困化が進み格差も拡大し、大企業や金持ちにはさんざん減税した結果の財政赤字を口実に、社会保障カットが進み、怒りは限界点に近づき、「モリカケ」問題で国民の不満は頂点に達している。この不満と怒りを議会野党は総選挙では引き付けきれず、むしろ「自滅した」と言われる通りである。
しかし、選挙と議会(裁判も)は、議会で多数を握る政権、与党側が設定した「土俵」である。選挙制度や選挙区設定に始まって、マスコミも含めて、支配層はやりたい放題だからである。欺瞞や買収も公然と行われる。
野党の弱さは、政策面と国民への責任感の足りなさでもあるが、国民運動、特に大衆行動に頼らないことの結果でもある。この間、一昨年の安保法制反対の国会行動をはじめ全国での大衆行動のように政府を追い詰めた闘いはあったが、沖縄県を除くと必ずしも大衆運動は発展していない。これは政府・支配層の思うつぼである。
戦後政治への明確な政策的対抗軸と、国民運動を発展させ、議会でも対米従属政権と真正面から争う政治勢力の登場が求められている。
最大の社会的勢力である労働運動・連合は、輸出大企業労組に縛られて労働者全体の利益を代表せず混迷を深めてきた。だが最近、地方や民間中小、あるいは旧総評系労組・産別だけでなく、民間大企業労組・産別も含めて異議を唱え、連合結成以来の動揺が走った。わが国戦後政治の転換点で、労働運動にも変化の時が迫っているとみられる。
総選挙前から、議会野党の再編劇がまたも始まっていた。「希望の党」は一瞬で失速したが、野党再編劇はしばらく時間がかかりそうである。「安倍一強」と言われた自民党内でも、次を模索する動きが公然化して、総選挙での「圧勝」を経ても収まらずむしろ各方面に矛盾が現れている。政党分解と再結集の再編時機が再び到来した。幻想にすぎない2大政党論などもまた喧伝されている。
しかし、日米同盟強化路線の枠内での政党の離合集散による政治再編、政党結集では、展望にはなり得ない。

(6)日米同盟強化路線に代わる対抗軸を持って、国民の力を結集する政治勢力が求められている

日米同盟強化路線に代わり、「平和と自主」の政策対抗軸を持ち、国民的怒りと力を結集した新たな政治勢力の形成が求められている。こうした政策方向をめざす広範で強力な国民運動を発展させなくてはならない。これを基礎に、自主、アジアの平和・共生を実行できる政権をめざさなくてはならない。時間がかかるとしてもこれ以外にはない。昨年の参院選後の「日本の進路」(16年8月号)誌上で社会学者の大澤真幸さんが、「もう沈みそうな日本という船について、誰が舵をとるか争っていても仕方がない。別の船を、別の進路を示さなくてはいけない」と語った課題である。
戦後日本の諸困難の根源である日米同盟問題を中心に、アメリカに依存しない、平和・自主の基本政策と国民的力の結集、国民運動を抜きに、アメリカの圧力や官僚の抵抗などをはねのけ対米従属の政治構造を打ち破ることはできない。
対米従属路線が歴史的に行き詰まった今はそのチャンスでもある。財界の中にも、マスコミの中にも、自民党の中にも日米同盟への動揺と亀裂が広がっている。保守派も含む最も幅広い勢力結集が可能な情勢である。
トランプ政権成立から半年後の7月20日、「日経新聞」は、「『米国抜きの世界』が本当にやってきた」と題した社説を掲載した。そこでは、「『米国第一』はいまに始まったことではない。国益にしがみついて無謀な戦争を始めたり、⾦融市場を混乱させたり、と世界を振り回してきた。だが、いまほど存在感を失った⽶国は記憶にない。どう向き合えばよいのだろうか」と自問して、「もはやトランプ⽒の顔⾊をうかがっても仕⽅がない。(⽇本は)欧州やアジアの主要国との連携を深めることだ」と結論付けた。
本総会の記念講演者・丹羽宇一郎さんが、「朝日新聞」(9月7日)で、「(冷戦後の)米国による覇権も終わった。中国は世界第2位の経済大国となり、軍事費はこの間、40倍近くになった。世界情勢が変化しているのに、日本はこれまで通り日米同盟強化の一辺倒。同盟には光もあれば影もある。同盟の、特に影の部分を考え、戦争には絶対に近づかないようにする。国際政治の力で戦争を避ける。それこそが安全保障」(要旨)と喝破している。
他方、対中国政策をめぐって支配層・政権内部でも、当面の経済重視では一致するものの、AIIBを含めてもっと経済面で踏み込むべきだという意見と、対米関係や安全保障面から日中関係強化に踏み込むことに反対する勢力との色合いの違い、せめぎ合いもある。こうした支配層内部の傾向に注目し、広範な勢力形成をめざさなくてはならない。そのためにも、対米従属の支配層主流の進めるアジア政策の限界、あるいは、むしろ国民の政治的支持を広げるための演技・術策として進める対中関係「打開」政策などにも警戒を怠ってはならない。最近の日中関係の若干の変化には、中国側にも対米戦線という狙いもあるのだろうが、国民の危惧と財界などの懸念にも配慮する安倍首相の政治的欺瞞もあり、警戒し、アジア共生のための闘いを緩めてはならない。

(7)情勢と国民が求める課題での闘いを発展させ、広範な国民連合を強化し、新たな政治勢力形成を促そう

広範な国民連合が一貫してめざしてきたのは、「自主・平和・民主」を日本の進路とした広範な国民各層の連合の実現、その国民的力で政治を変えることであった。その役割が文字通りに求められる時がやってきた。しかし、その力はまだ十分ではない。
この総会では、以下のような諸方面の闘い、活動を特に重視し、国民諸階層の要求を積極的に取り上げて闘い、国民の連合を促し、広範な国民連合の強化をめざそうではありませんか。

1 全国的な闘いの課題について

以下のような、情勢と国民各層が求める切実な課題での要求と闘いを重視し、広範な国民各層・諸団体と連携して闘う。その中で諸団体、諸勢力に「国民各層の連合」で共同して「政治を変える」闘いを呼びかける。共同した政策面での国民的合意形成をめざす。

(1)対米従属政治に反対する国の進路の課題(戦争反対、アジアの平和・共生、自主外交)で国民運動を大きく発展させる。日米同盟強化に反対し、「アジアの平和、そのための自主外交」の考えを広め国民運動を発展させ、「平和のための東アジア民間交流」を進める。

① アメリカによる朝鮮半島の緊張激化政策、戦争策動に反対し、安倍政権の朝鮮敵視政策に反対する。朝鮮の核保有を事実として承認し米朝間の交渉、平和条約締結を求める。日本は、緊張緩和の先頭に立て。即時無条件の日朝国交正常化をめざす。
日朝平和友好関係の発展へ、世論形成を重視する。全国的で大規模な「全国地方議員訪朝団」をはじめ、各方面で日朝間の民間交流の発展に取り組む。
② 友好的な日中関係を発展させる。そのために保守層や財界を含めた最も幅広い戦線形成をめざす。
労働者を中心とした友好的な国民運動の拡大をめざす。適当な時期に継続して訪中団を派遣するなど、民間交流を積極的に進める。
③ ムン・ジェイン政権を生み出した韓国の広範な国民的運動との連携を進める。
④ 学者・文化人、経済人、政治家、活動家などの協力・連携で「平和をめざす自主的なアジア政策」の確立を進め、諸国との民間交流を促進し、内外で世論形成を促進する。
内政不干渉、互恵平等の連携、経済共同体を求める。
⑤ 在日外国人の権利と生活擁護の闘いを支持し連帯する課題
を重視する。また、わが国の過去の侵略戦争や植民地支配への反省と謝罪の認識を広めることは重要である。

(2)沖縄県民の普天間基地の即時閉鎖、すべての米軍基地撤去、新基地建設反対の闘いを支持し、全国で連帯して、米軍基地撤去の闘いを発展させる。

① あらゆる機会を通じ、文化などのさまざまな分野も含めて沖縄県民と本土との相互理解を深め、支持・連帯の機運を全国で広げる。
② 2018年2月4日投開票の名護市長選での稲嶺ススム市長、11月県知事選での翁長雄志知事の再選のために全国で奮闘する。
③ オスプレイの訓練・配備反対、土砂搬出反対、各地の米軍基地撤去などの各県・地域の課題で闘い、沖縄の闘いと連帯する。
④ 不平等条約である日米地位協定の抜本改定を求める。

(3)国民生活、国民経済の危機打開へ、アメリカと政府・多国籍企業によって「奪われた富を奪い返す」ために闘う。

① 生活保障を政府・自治体に要求する。

  • 最低賃金の大幅引き上げ。差し当たり全国どこでも誰でも時給1500円を要求する。
  • 公務員労働者を含めてすべての労働者の賃金等労働条件切り下げに反対する。
  • 労働の規制緩和反対、長時間労働に対する罰則付き規制を要求する。自治体労働者とりわけ教職員の過重労働に反対する。
  • 実態に見合った生活保護制度の充実。無年金者をなくし、すべての人に生活できる年金保証を要求する。
  • 親の貧困をなくすことを基本に、子どもの貧困撲滅。
    高校生・大学生等の給付奨学金の充実。

② 大多数の国民に対する増税に反対。富裕層と内部留保をため込む大企業への適正な課税を要求する。

  • 消費税10%への引き上げ阻止、引き下げろ。
  • 財政赤字の負担を国民に押し付けるな。
  • 法人税減税に反対。特別措置など大企業優遇税制の廃止。

③ 農林漁業を中心に、人びとが地域で暮らせる自立した地域経済をめざす。

  • ・食料自給率を向上させ、特に主食である食糧自給を達成して食料安全保障を確立する。
  • 農林漁業のもっている国土保全・国境防衛・環境保全など多面的価値を国策として認め、国費を投入し農林漁業の保護・発展を進める。木材など林産物の地域自給を進める。「漁業権開放」に反対する。
  • 日欧EPA、日米FTAなどの交渉を中止し、農林水産物の輸入自由化政策を見直す。
  • わが国国土の特性に合致した小規模家族農業を基本に農業の発展を図る。政府・財界の農協つぶしに反対し、農民の協同組合としての農協の民主的発展を支持する。
  • 青年の新規就農を支持し、自立できるまでの財政支援を行い、基幹産業としての発展を促す。
    農林畜水産物の価格保証、所得保障政策を確立する。

④ 日本経済の根幹を担う圧倒的多数の中小企業、自営業者の経営を発展させる。

  • 政府と大企業による圧迫に反対する。中小企業分野を保護・育成し、国民経済を発展させる。PPP・PFIなど公共領域の民営化に反対する。地方公共団体による購入は、基本的に競争入札ではなく随意契約で地元中小企業、自営業者の経営を守る。
  • 中小企業の法人税実質負担を引き下げる。中小企業・自営業者の事業承継に伴う税負担を大幅に軽減し、廃業しないで済むようにする。国庫負担を増やし、中小企業の健康保険料負担を軽減する。
  • 中小企業の人材確保、労働時間短縮、大幅賃上げへ財政支援を強める。

⑤ すべての原発再稼働に反対し、原発の廃止を要求する。

「核兵器を持たない」を国是として確立し、核燃料サイクル事業を止める。安全で持続可能、自主的なエネルギー政策の推進を求める。
日米原子力協定を破棄し、わが国の自主的判断で、脱原発へ政策転換を進める。

(4)軍事大国化、教育・司法反動化に反対し、民主主義の拡充をめざす。

① 敵基地攻撃能力など他国に脅威を与える軍拡、国民生活破壊の軍事費増額反対。集団的自衛権反対、自衛隊は独立・自主で専守防衛に徹しろ。
② 9条改憲など憲法改悪反対。
③ 共謀罪・秘密保護法などの撤廃、いっさいの民主主義破壊策動、監視国家化、警察国家化反対。
④ 道徳教育など教育反動化反対。民族差別、排外主義反対。
⑤ 狭山事件の再審を求め、部落問題をはじめあらゆる差別を許さない。

2 都道府県の国民連合・統一戦線を強化発展させる

各都道府県で、地域の課題、県民課題で闘い、当面は、2019年統一地方選をめどに、県知事など首長と闘う県政闘争、自治体闘争を発展させる。「知事を取り替える」共通政治目標をもった都道府県の国民連合の強化を図る。
① 全国民的課題も重視するが、特に労働者や農民、商工業者の切実な課題など、また、地域課題など、県民要求、県政課題での闘いを重視する。
② 都道府県政を争う都道府県の国民連合をめざす。
「地域要求実現の先頭に立ち、国とも闘う知事」の実現を、広範な県民的勢力の連携でめざす。この課題が、都道府県国民連合の「最大の共通政治目標」となるよう、国民連合内外で議論を促し、組織を強化する。
知事選をはじめ地方首長選挙、地方議員選挙での推薦、当選のための活動を重視する。
賛同会員の地方選挙への立候補を積極的に応援し、また、推薦議員を増やす。
③ 「県民要求、県政課題の実現、県政を争う」地方議員のネットワーク化を促す。
④ 組織強化では、賛同会員を増やすとともに、全県的に影響力ある政治家や知識人、労働運動や農民、商工業者、それに青年などの各界のリーダー層を含む県世話人会形成を意識的に追求する。
各県では、全県に影響力ある組織をめざして、県内をいくつかの地域に分けて地域組織(地域懇談会)をつくっていく。
⑤ 全県の学習会や懇談会、地域懇談会などをもっと行うようにし、また、県ニュースの発行や会費の徴収と財政基盤の強化なども重視し、組織強化を図っていく。

3 全国政治的な影響力をもつ「自主・平和・民主の日本をめざす新しい政治勢力」の登場を促す

( 略 )

4 広範な国民連合の全国体制を強化する

( 略 )

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